Biography

ギターの巨匠であり、崇高なビジョンをもった作曲家であり、完璧主義のプロデューサーでもあるSteve Vaiは、自身の音楽を無限のクリエイティヴィティと卓越したテクニックで具現化する。12歳にして彼はJoe Satrianiからギターレッスンを受け始めた。18歳になるとFrank Zappaのために採譜をするという形でプロの音楽キャリアをスタートさせ、後にZappaとともにプレイするようにもなる。その後30年以上にもわたり、1500万枚以上のアルバムを売り上げ、3度グラミーを獲得し、Vaiは自身が音楽史における真のオリジネーターの一人であることを証明し続けている。

様々な賞の受賞も枚挙に暇が無い。Guitar Player誌からは12度にもわたって受賞している。最近ではTEC Foundationが栄誉あるLes Paul Awardで彼を称えている。この賞は1991年に創設され、オーディオテクノロジーのクリエイティブな活用において最高水準を示した人物を称えるためのものであり、過去の受賞者にはPaul McCartney、Neil Young、Herbie Hancock、Steely Dan、Bob Clearmountainらが名を連ねている。Vaiの受賞に際してTECは「Steve Vaiのまさに息を飲む様なギターテクニックはロック界の枠を超えて賞賛されている。Vaiは彼の才能を音楽という言語を独創的に進化させるために捧げてきた。多くのアーティストは一つのカテゴリーに納まってしまうが、Steve Vaiは未だに分類不可能な存在だ。まさに彼は音楽界における極上の錬金術師だ」と述べている。
そんなVaiの錬金術による最新作は2012年に発表された16枚目のソロアルバムThe Story of Lightである。2009年の力作ライブアルバムWhere the Wild Things Areに続くこの作品はFavored Nations Entertainmentからリリースされている。Favored Nationsは1999年に「それぞれの楽器によって最高レベルのパフォーマンスをするミュージシャン」による作品を発表するためにVaiが設立したもので、レーベルのカタログにはTommy Emmanuel、Steve Lukather、Eric Johnson、Billy Sheehan、Larry Carltonといったミュージシャンの作品があり、これまでに70作品以上リリースしている。
Vaiのフルディスコグラフィーは60作品以上からなり、Zappaとの多くの作品、Van Halen脱退後のDavid Lee Rothのアルバム、人気絶頂時のWhitesnake、ライブ作品、コラボ作品、コンピレーション、オーケストラ作品などが含まれる。中でもハイライトとしては1990年の傑作Passion and Warfareや、2007年にオランダのMetropoleオーケストラとレコーディングしたSound Theories Vol. 1 & 2などが含まれる。Vaiは他にもオーケストラのための楽曲を手がけており、その一つ"The Middle of Everywhere"は2011年にNoord Nederlandsオーケストラとともにワールドプレミアが行われた。指揮者のMarcel Mandosは「Steve Vaiの音楽は有名な現代音楽家と比べても全く遜色の無いものだ」と語っている。

The Story of Lightでは悲しみ、複雑な悲劇、啓示、悟り、贖罪などによって狂気を帯びた男の宇宙旅行が描かれており、それは2005年のスタジオアルバムReal Illusions: Reflectionsで始まった物語の続編となっている。その多くはインストゥルメンタルだが、The Story of Lightではゲストボーカリストを招いており、"No More Amsterdam"ではシンガーソングライターのAimee MannがVaiとデュエットしており(彼女はVaiとともにこの曲の作曲にも携わっている)、"John the Revelator"ではThe VoiceのファイナリストBeverly McClellanが参加している。この曲はブルーズシンガーBlind Willie Johnsonのヴィンテージ音源にインスパイアされたもので、彼のしわがれ声もサンプリングされてミックスされている。
このアルバムを通じてVaiのリードギターはその音と聴き手の心を均等に揺さぶる。そしてその視界の先にはThe Story of Light とReal Illusions: Reflectionsとで描かれた謎を解き明かし、真実を示す新たな作品を見据えている。映画的、あるいはオペラ的に構想されているこの3部作の完成版は詩、ナレーション、そしてビジュアルを伴うものになるであろう。

Vaiのシグネチャー楽器にはIbanezのJEMギターがある。JEMは彼が1985年にデザインし、フローティングトレモロやモンキーグリップといったそれまでに無かったフィーチャーを持ったものである。JEMは今や歴史上最も長きに渡って成功しているシグネチャーモデルの一つであり、JEMの兄弟機とも言うべきRGは10年以上にも渡ってFenderのストラトキャスターに次ぐ売り上げを世界で記録している。Vaiはさらに初の量産7弦ギターとなったUniverseもデザインした。Universeは90年代中期に始まった革命的なメタルのサブジャンルを大いにインスパイアすることにもなる。Ibanezギターの他にもVaiは多くの楽器メーカーと画期的なコラボレーションをしており、Carvin社とは真空管アンプのSteve Vai Legacy V3をデザインした。

Vaiは映画においてもその才能を発揮しており、2008年発表のHank Garlandの名作伝記映画Crazyにおいてはエグゼクティブプロデューサーとしてクレジットされており、Hank Williamsとして出演もしている。1986年に発表された、ブルーズ界のアイコンRobert Johnsonの伝説にインスパイアされた作品であるCrossroadsにおいては、Vaiは「悪魔のギタリスト」Jack Butler役として出演し、Ry Cooderと音楽シーンでコラボレーションをしている。

1998年にはRuta SepetysとともにMake a Noise Foundationを設立している。これは経済的に恵まれない若いミュージシャンに楽器と音楽教育を提供することを目的としたものである。「音楽は全人格を差別の無い存在として育むものだ。音楽は心、感性、そして感情を育てる」とVaiは語る。「音楽に関心のある人間が経済的な理由によってその大切な技能と感情を表現する能力を育む機会を犠牲にするようなことはあるべきではない」 2012年にはMake A NoiseとMusicians Institute College of Contemporary Musicのコラボレーションの一環としてSteve Vai Guitar Scholarship (奨学金制度)が実現した。

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